(セミリタイアした/する予定の不動産投資家さん向け記事です)
去年までサラリーマンをしていたので、個人所得を抑えるために社長である自分の役員報酬をゼロにし、妻の役員報酬を年間100万円程度(非課税かつ扶養範囲内)にしていました。
昨年独立したので、自分も役員報酬をもらおうと思い、いろいろ検討しました。結果、「この形が一番良いのでは?」と思えるものにたどり着いたので共有したいと思います。以下の通りです。
・自分(社長):役員報酬62,000円/月
・妻(役員) :役員報酬100,000円/月
自分は個人でも不動産を所有しており、そちらの収入があるので、役員報酬は62,000円/月でも生活することは可能です。また、自分の不動産収入を含めた総収入は、妻の2倍以上になるので、妻は自分の扶養範囲内になります。
このような役員報酬設定にすると良いのは、社会保険料を最低水準に抑えられるということです。地域によっても違うと思いますが、私が住んでいる神奈川県ですと、社会保険料の月額は以下の通りとなります。
・健康保険料 :5,759.4円(これを法人個人で折半)
・厚生年金保険料:16,104円(これを法人個人で折半)
月に5,759円の保険料で自分・妻・息子の3人が国民健康保険に入れます。また月に16,104円の保険料で自分・妻が国民年金+厚生年金を受けられます。
支払う保険料に対して得られる便益が相当大きいと感じます。特に厚生年金の方はお得感があります。月に16,104円を60歳まで納めれば、65歳以降国民年金64,941円×2人分=129,882円と、厚生年金(こちらは少額だと思いますが)を受けることができるので。
年金が高利回り金融商品に化けてくれます(しかも、生命保険(=障害年金、遺族年金)付き!)。
※年金財政の行方によって金額は変動しますが。。。
尚、役員報酬を小さくすると、法人の利益が大きくなってその分法人税が大きくなってしまいますが、自分は以下の対策をとって法人税をできるだけ小さくするつもりです。
・個人・法人間で管理委託・サブリースを行って法人に利益を寄せていたが、それを辞める(もしくは管理料・サブリース代を調整する)ことで、個人に利益を寄せる※
・計上できる経費をすべて法人側で計上
・償却の取れる物件を購入
・セーフティネット共済で経費計上
※個人側でも小規模企業共済、確定拠出年金等で所得を圧縮
自分のような、
・個人でも不動産収入がある
・配偶者が主婦(夫)で別収入が無い(少ない)
という人は、役員報酬を6万円程度にして、社会保険料を最低水準に抑えると、税・社会保険料のコストを最小にでき、得られる便益も大きいのではないかと思います。
役員報酬検討時のご参考になれば幸いです。
(ご参考)
ふんどし王子さんの健美屋コラム – セミリタイア後の社会保険を安くする方法。知人経営のマンションホテルに宿泊。
https://www.kenbiya.com/ar/cl/fundosi/31.html
橘玲さんの「貧乏はお金持ち」という本も参考になりました。こちらは「社会保険にはそもそも入らなくて良い」という主張ですが。。。(社会保険加入は義務なので、私は入ることにしました)