こんにちは。最近すっかりブログをご無沙汰してしまいました。久々の更新です。
ブログをさぼって何をしていたのかというと、かぼちゃの馬車オーナーさんに会っていました。
先日書いた「かぼちゃの馬車のサブリース賃料改定で困っている方、無料で相談乗ります。」という記事を読んでいただいた方からたくさんお問い合わせいただきましたので、その方々と会っておりました。10人以上はお会いしましたね。
で、たくさんの方々にお会いする中で気付いたことが2つあります。
- 皆さん、状況が似ている
- なので、僕が言うアドバイスもいつも大体同じになっている
ですので、あんまり毎回お会いするよりも、こうやって記事にしてしまって、「こちら読んでみてください」とご案内できたら効率的かと思いました。というわけで、今日は「かぼちゃの馬車オーナーが今後取りうる戦略」という内容で記事を書いてみます。
目次
かぼちゃ馬車オーナーが置かれている現状
まずは現状を整理します。
かぼちゃの馬車の典型的な物件スペックは以下のような感じです。
- 都内
- 駅徒歩15分以内
- 7㎡の部屋10戸
- 共用リビングなし
- 物件価格1億円前後(立地で変わる)
- (なぜか)空室率めっちゃ高い
上記物件をS銀行で金利3.5%(もしくは4.5%)、30年で借りて購入している感じです。加えて、同銀行で諸費用ローン(金利7.5%!)も借りてしまっているパターンが多いです(人によっては諸費用ローンについては完済済)。
戸数は10戸の場合もあれば12戸や14戸、20戸といった場合もあります。それに応じて金額も変わります。大体戸数×1,000万円というイメージです。
1棟だけのオーナーもいれば、かぼちゃの馬車だけで2棟、3棟買ってしまったという方もいらっしゃいます。
2017/10月にサブリース契約をしていたスマートデイズ社が資金繰りに窮し、サブリース賃料の一方的な引き下げ通知を各オーナーに送付しました。
「S銀行の返済額と同額のところまで引き下げる」という内容です。
元々保証されていた賃料であれば10-20万円/月ぐらいのキャッシュフローが見込めたのですが、それがなくなりましたので、キャッシュフローがゼロになりました。
加えて、諸費用ローン(7.5%)の返済や、固定資産税支払等はオーナーの持ち出しになってしまった形です。
オーナーとしてはかなり不安な状況かと思います。
>(追記)2018/1月にスマートデイズから「今月からサブリース賃料支払い停止する」旨の説明が各オーナーさんにあったようです。ここまで早く破綻するとは・・・。
かぼちゃの馬車オーナーがとりうる戦略
まず考えるのは「売るべきか、持ち続けるべきか」というところです。
オーナーさんの中には、「こんな物件はもう嫌だ、さっさと売って手仕舞いしてしまいたい」という方も多いです。ただ、おそらく売却する場合は大幅な損切りを覚悟しなければならないと思います。
計算は省略しますが、利回り8%で売ったとしても、1億円で買った物件を5,000-8,000万円で売却するイメージだろうと思います。ですので、S銀行の借金を返済しきれないので、手元資金で穴埋めする形になります。
ですので、僕がかぼちゃの馬車オーナーさんだったら、売却はしません。僕がオーナーだったら以下のような戦略を取ります。
サブリースが(減額されたとはいえ)支払われているうちは、それを受け取りつつ、金利引き下げ(もしくは借換)に動く。
サブリースがさらに減額、もしくはストップされた場合は、自力で満室経営。キャッシュフローはほとんど出ないが(もしくはマイナスだが)、10-15年我慢して保有し、残債を減らす。景況感も見ながらできるだけ高く売れるタイミングで売却(その時点の残債をすべて返済できれば大成功)。
上記戦略を解説していきます。
サブリースを受け取れる間は受け取り続ける
現状はスマートデイズからサブリースが支払われています。このサブリースの金額というのは、2017/10月の引き下げ後でも、物件を満室経営した時と同等か、それ以上の金額です。
ですので、サブリース契約を解除して自力で満室経営しようが、引き下げ後のサブリース金額を受け取り続けようが、オーナーさんが受け取る金額に差はないということになります。
であれば、サブリース金額を受け取れるうちは受け取っておくのが賢い選択かと思います。
金利を下げられるかどうかはキモ
金利を下げられるかどうかは一つ非常に大きなポイントです。金利が3.5%や4.5%のままでは満室経営してもキャッシュフローがそこそこの赤字になってしまう物件が大半です。
2.5%、できれば2.0%以下まで金利を下げられれば、満室経営によってキャッシュフローが黒字になる可能性が見えてきます。
借入の額が大きいので、金利を1%でも引き下げられると、キャッシュフローに与えるインパクトは非常に大きくなります。
どうやって金利を下げるかですが、まずはS銀行と交渉するのでしょう(実際、現在多くの投資家さんがS銀行と交渉されているようです)。また借換という手もあるのですが、現状私が知りうる限りでは、借換に成功したオーナーさんを知りません。
リスケ交渉するのも一案
オーナーさんによっては、金利を引き下げたとしてもキャッシュフローのマイナス幅が大きく、資金繰り破綻をしてしまうという方もいらっしゃるでしょう。そういう方は、S銀行とリスケ交渉するのも一案です。
リスケ(リスケジュール)とは元本の繰り延べです。たとえば、元金の返済スピードを半分にしてもらいます(元本の半分は最終返済日に返済するという前提で繰り延べしてもらう)。
銀行としてもお客さんに破産されては困りますから(担保に取った不動産を売却しても貸付額を回収しきれない)、リスケに応じることもあると思います。
リスケすれば、キャッシュフローが出るようになるでしょう。むしろ、満室経営できれば潤沢なキャッシュフローが出るようになるかもしれません。
ただ、これは将来自分が返すべき債務を先延ばしにするだけの行為ですので、もし返済できるだけの余裕がある人は、歯を食いしばってでも、現状の返済スケジュールで返済を進めていく方がいいのでは、というのが個人的な考えです。
満室経営する準備を整える
サブリースを受け取り続けられるうちは良いのですが、サブリースがさらに減額、もしくはストップする可能性も想定しておく必要があると思います。理由は以下の通りです。
- 引き下げ後のサブリース賃料でも、満室想定賃料と同じか、それを上回る水準であること(仮にスマートデイズが満室経営できたとしても、同社は赤字になる(他で穴埋めが必要)な構造)
- 現状のかぼちゃの馬車物件が空室だらけであること
スマートデイズは入居率引き上げを実現しつつ、他事業の利益を充てることで、オーナーへのサブリース賃料を元の水準に戻すという姿勢のようですが、うまくいくかはわかりません。
というか、現状の様子を見ると、そんなことできるのかな?(できるのなら初めからやっておけばよかったのに・・・)と思います。
ですので、オーナーとしては、サブリースが止まる自体も想定して準備を進めておく必要があります。
自力で満室経営するには、2つの進め方があります。自主管理と管理委託です。
自主管理する場合
自主管理する場合は、自分でネットに掲載して募集をかけて、内見案内をして、気に入ってもらったら、契約を締結して、入居してもらうことになります。
また、備品補充や掃除等を行って、ハウスを良い状態に保つとともに、トラブル等が発生した場合は迅速に対応する必要があります。
自主管理をお勧めできるのは、ご自身は本業で忙しくても、配偶者の方やご両親などのサポートが受けられる方です。
自主管理を行うことで管理料を節約することができます(後述しますが、シェアハウスの管理料相場は高いですので、節約効果は大きいです)。
一方で、シェアハウスは共同生活ですから、入居者トラブルもそこそこあります。オーナーとしても、割と精神的につらくなってしまうこともありますので、配偶者やご両親に頼まれるという場合は、そのあたりも覚悟したうえで決められると良いかと思います。
管理委託する場合
自主管理が難しい場合は管理委託になります。自主管理はなかなかハードルが高いので、実際は管理委託を検討される方が多いのではないかと思います。
管理委託のメリットは楽ということです。日々の業務をすべて管理会社に丸投げできます。かぼちゃの馬車オーナーさんは一部上場企業の会社員などお忙しい方が多いので、丸投げできるというのは大きなメリットかと思います。
一方、デメリットは管理料が高いことです。シェアハウスは備品補充や掃除等の手間がかかり、入居者の入居期間も短いため、管理に手間がかかります。ですので、管理料率は賃料に対して20%とかになってしまいます。
たたでさえ薄いキャッシュフローが、管理料20%によってさらに削られる(それによって、赤字化してしまう)というのはつらい部分かと思います。
滞納家賃の請求、損害賠償請求等
現状、スマートデイズに家賃を滞納されているような状況かと思いますので、同社に対し、滞納家賃を請求する裁判を起こす、等の対応も可能かと思います。
ここについては僕は専門家ではないので、見解をお伝え出来ません。専門家の方にご相談されることをお勧めします。
自己破産という選択肢はありか?
資金繰りが回らない、という方は自己破産という選択肢もあるかもしれません。
自己破産すれば債務はチャラになります。一方で、持っている資産(自宅等)をすべて差し出すことになります。またクレジットカード等は作れなくなり、新規でお金を借りることも難しくなります。
自己破産には要件があるようですので、誰でもできるかどうかはわかりません。ここは僕は専門外ですので、弁護士等の専門家にご相談ください。
不動産投資をやるなら、しっかりとした事前準備が必要だった
たらればを言ってもしょうがないのですが、、、不動産投資をしっかり勉強していれば、今回の案件には投資せずに済んだはずです。
シェアハウスはやや特殊ではありますが、いわゆる普通の不動産投資と通ずるところは多々あります。今からでもしっかり勉強されることをおすすめします。
お知らせ:①自主管理コンサルと②管理請負やります
自主管理コンサルやります
僕は現在シェアハウスを5棟自主管理しています。5棟目は今月立ち上げなので募集中ですが、それ以外の4棟は満室経営できています。
立地はかぼちゃの馬車の立地よりはるかに悪いです。その中で、いろいろと工夫して、悪戦苦闘しながらなんとか満室を実現してきました。
シェアハウスを経営し始めて3年ほどになります。満室を実現するためのノウハウは一式持っているつもりです。それをすべてお伝えするコンサルをやろうと思います。
- 利益の最大化につながるターゲット設定、賃料設定
- 追加導入すべき設備・備品についてのアドバイス
- ネット募集の方法と勘所
- 内見案内の成約率を高めるためのコツ
- 契約書ひな形共有
- 既存入居者への説明・対応方法
- 管理中のトラブル発生時の対応方法
上記のようなことをお伝えし、満室経営実現に貢献します。料金は検討中ですが、興味ある方はお問い合わせください。
管理委託請け負います
自主管理はハードル高い、もしくは遠方に住んでいたり、家族のサポートが得られないため無理、という方のために、管理委託の請け負いをやります。
僕はかぼちゃの馬車よりはるかに悪い立地でも満室経営をしてきましたので、かぼちゃの馬車を満室経営できる自信があります。また、日々の管理のみならず、経営全般(出口戦略含め)について、投資家目線でアドバイスさせていただくことが可能です。
上記のコンサル含め、割と体力を使うので、請け負える数は限定されてしまいます。ですので、キャパオーバーにならない範囲で受けさせていただければと思います。
料金については検討中ですが、シェアハウス管理会社の中ではリーズナブルな水準に設定しようと考えております。
自主管理コンサルにしても、管理委託にしても、スマートデイズのサブリース賃料支払が現状の水準で続くうちは不要だと思います。
ですので、もしもサブリースがストップしてしまった時のために、「こんなサービスを提供しているやつもいた」ということを頭の片隅に入れておいていただければ幸いです。
→(追記)大変残念ながら、スマートデイズのサブリース賃料支払いが2018/1月からストップすると、スマートデイズからアナウンスがありました。予想より早かったです。自主管理コンサルや管理委託の必要がありましたら、当方宛ご連絡いただけますと幸いです。
以上になります。よろしくお願いいたします。