先日借地権の物件を買ってみました。
所有権の物件と比べて、いろいろ難点もあるのですが、それなりにメリットも感じたので借地権の物件を買ったんですよ。
今日は、これから借地権物件を買おうか悩んでいる人に向けて、僕が実際に買ってみた感じたメリット・デメリットや、留意点について書いてみたいと思います。
そもそも借地権とは?
そもそも借地権とは何でしょうか?
一言でざっくり言うならば、借地権とは、自己所有の建物を建てる(使う)ため、他人の土地を借りる権利です。
あくまで、土地は地主さんのもの。毎月地主さんに「地代」を払って土地を借りて、その土地に建物を建てさせてもらったり、使ったりできる権利、これが借地権ですね。
借地権物件のメリット
所有権物件より安い
借地権で物件を買うのは、所有権で物件を買うのに比べて安いです。大体、所有権の60-70%で借地権の物件を買えると言われています。
が、物件によってはもっと安くなると思っています。
良い立地であったり、新築であったりすればともかく、悪い立地や築年数が古かったりすると、借地権・築古・悪立地の3拍子がそろうことになり、敬遠されがちです。
僕が先日買った戸建てが、まさにそれですね。借地権・築古・悪立地。しかも階段をのぼった山の上に物件があります。いろいろ残念です。
けど100㎡を超える戸建てを数百万円で仕込むことができました。近隣で100㎡を超える所有権の中古戸建てを買おうとすると、どんなに安くても2,000万円以上はしますので、かなり安く買えたことになります。
土地にかかる固定資産税がない
借地権では、地主さんに地代を払う必要があります。その代わり、土地にかかる固定資産税がありません。
借地権というと「地代」にばかり目が行きがちですが、土地部分に固定資産税がかからないという地味なメリットをおさえておいたほうがよいです。
ただし、地代のほうが土地にかかる固定資産税より高い場合が大半なので、所有権と比べてランニングコストは高くなりますので、ご注意を。
地主さんが近くに住んでる&協力的だと、駐車・駐輪スペースを借りられたりする
これは僕の場合だけかもしれませんが。
今回僕が買った借地権戸建ては、石段を90段ほど登った山の上にあります。この山のふもと部分に地主さんが住んでいるんですよ。
で、この地主さんのご夫婦がすごくいい人なんですよね。僕が図々しくも「これからリフォーム屋さんとかけっこう来るので、お庭に車停めさせていただいてもよろしいでしょうか・・・?」と聞いてみると、「あ、はい、いいですよ」と快諾してくれたんです。
あと、家が山の上にあるので、駐輪も石段を下り切ったところにしなければなりません。地主さんに、「自転車も、お庭に停めさせていただいてもよろしいでしょうか・・・?」と聞いてみると、こちらも「あ、はい、いいですよ」と快諾!
リフォーム屋さんの駐車コストは、仕事を発注する側が負担しないといけません。地主さんが駐車場を貸してくれたことで、このコストが数万円浮きました。
駅から遠い物件なので、駐輪場はぜひとも確保しなければならないと思ってたのですが、これも地主さんの好意のおかげで解決しました。
この地主さんは、広大な庭を持っているので、思わず甘えちゃいました。こういったことは、所有権にはないメリットだと思います。
借地権の戸建てを買う際は、ぜひ地主さんと仲良くしておきましょう。
(2017/2/4追記)不動産取得税も安い
先日不動産取得税通知書が届いたのですが、これが安い!
借地権の場合、土地には不動産取得税がかからず、建物にしかかからないからですね。
正直30万円ぐらいを覚悟していたんですが、4.5万円ぐらいでした。よかった・・・。地味にうれしい。
借地権物件のデメリット
地代の負担が重い
やっぱりこれが一番のデメリットですよね。地代の負担は重いです。
地代の計算方法は法律で決まっているものではありません。地主さん側の言い値です。ですが、大抵は固定資産税負担より重くなります。
言わずもがなですが、投資用で物件を買うにしても実需用で物件を買うにしても、この地代の負担を織り込んだうえで、所有権と比べてお得かどうかを判断するようにしましょう。
売却・建替などの際にもお金がかかる
借地権で気にしなきゃいけないのは、地代だけじゃないんですよ。
売却・建替の際にも、地主さんにお金払わないといけないんです。売却の時は「名義書換料」、建替の時は「承諾料」という形で。
なんでそんな金を払わなきゃいけないのか、個人的にはあまり納得感がありません。でもそういうものらしいです。
物件価格の5%や10%程度の名義書換料や承諾料を支払わなければならないとのこと。ただ、5%や10%というのはあくまで目安であって、実際にいくらの価格になるのかは地主側の言い値です。
僕も、今回買った物件はいずれ売却しようと考えていますから、その際は名義書換料を払う必要があります。
名義書換料の交渉は地主さんとしっかりやるつもりです。
合理的な価格を提示してきたら大人しく払いますが、法外な値段をふっかけてきたらバチバチとやり合います(場合によっては法的手段を取る覚悟)。
融資を受けづらい(→売却も大変になる可能性あり)
借地権の物件に大しては、融資を受けづらいです。これは大きなデメリットですね。
特に僕のように投資用物件の場合は、借地権の物件に融資をしてくれる金融機関はかなり限られてきます。三井住友ローン&ファイナンスや、セゾンファンデックスといったノンバンク系ぐらいですかね。僕は兄にお金を借りました。
実需用の物件を買う場合は、住宅ローンを組める金融機関とそうでない金融機関があるようです。このあたりは、一つ一つの金融機関にあたっていくしかないですね。
ちなみに、住宅ローン一括審査申込を使うと便利です。審査申込画面に、「購入予定物件が借地かどうか」を選ぶところもありますので、これを使って一括検索をかければ、借地でも住宅ローンを出してくれる金融機関がさくっとわかるので。
借地権物件を買うときの留意点
「建物を賃貸用に使うなら、売買は承諾しない」という地主がいるので注意
建物の売買時には、地主さんの承諾がいります。で、地主さんによっては「建物を賃貸用に使うのは許さん!」とか言う人がいるんですよ。
いや、建物をどんな用途で使おうと、それは建物の所有者の勝手じゃないですか・・・と僕は思いますけど。地代払えば文句ないでしょ、と。
でもそういう理屈が通じない地主さんもいるんですよ。
たまに、ネット上で、「なんでこのスペックでこんなに安いんだ!」という借地権物件が見つかったりするのですが、地主さんが「賃貸用にするのは許さん!」と言っているケースが多いです。
賃貸用にしてもOKなら、物件を探し回っている投資家がさっと買うものでも、実需用の方限定になってしまうと割安に放置されたりするですよね。
「実需用に買います」と言って、買ってから、こっそり賃貸用に使ってしまうという荒技もできなくはないのでしょうが、個人的にはお勧めしません。
地主さんとは仲良くしたほうがいいです。あんまり地主さんとバチバチやってしまうと、ストレスの多い賃貸経営になってしまいます。
土地には固定資産税がかからないけど、建物にはかかる
買ってみて初めて気づいたのですが、借地権物件の場合、土地には固定資産税かからない(地主さんが負担)けど、建物にはかかるんですよ。
このことは忘れずに、購入前はしっかりシミュレーションに織り込むようにしましょう。
僕のようにボロ戸建てを購入する場合は、建物の固定資産税なんて激安だと思いますから、そこまで気にすることではないかもしれませんが。
仲介手数料は普通にかかります(物件価格の3%+6万円+税)
売買の際、借地権だからといって仲介手数料が安くなったりするようなことはありません。これは普通にかかってきます。
物件価格の3%+6万円+税ですね。
あんまり高額なのを買っちゃうと、マジで売れなくなる
借地権物件購入時には融資が組みづらいです。物件購入者は現金購入する人が中心になります。なので、あんまり高額なのを買っちゃうと、マジ売れなくなるリスクを覚悟したほうがいいです。
安いやつを買うんだったら、現金で購入してくれる人が割といると思うので、安心です。
それか、「この物件は死ぬまで持ち切る!」「この物件と心中する!」という思えるぐらい良い物件であれば、高額でも買ってしまっていいでしょう。
まとめ:もろもろしっかりシミュレーションしましょう
というわけで、借地権物件のメリット・デメリット・留意点についてまとめてみました。ここに書かれているようなことは抑えたうえで、借地権物件を購入したほうが良いですね。
借地権物件はいろいろとめんどくさいことも多いですが、うまく買えれば、非常に良い買い物になる可能性があります。多くの人が敬遠しがちな物件であり、とても割安に変える可能性があるからですね。
僕が先日購入した借地権付き戸建ても、相当割安に買えました。シェアハウス用の戸建てとして購入したのですが、これまで買った物件の中で、最も収益性の高いシェアハウスに仕上がりそうな予感です。
借地権物件、いろいろとめんどくさいことも多いですが、ご興味ある方はぜひぜひチャレンジしてみてください!