アパート経営の収入がどれくらいか、現役大家が解説してみる

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最近、アパート経営で収入を得ているサラリーマンが増えています。

10年~20年前と比べて、

・金融機関がサラリーマンの不動産投資への融資に積極的になった

・インターネットで不動産投資ノウハウが出回るようになった

・収益物件の検索サイトが増え、一般人でも収益物件にアクセスしやすくなった

ということが背景にあります。

マネー雑誌でも、不動産投資でセミリタイアを実現した人の話が紹介されていますが、「で、アパート経営の収入って、結局いくらぐらいなの?」というあたりは、イマイチわかりづらかったりします。

(合計の「キャッシュフロー」はいくら、というのは説明されていても、収入はどれくらいで、経費がどれくらいで、返済がどれくらいというのはよくわからない)

今日は、現役大家でもある僕が、「結局、アパート経営から得られる収入ってどれくらいなのか?」ということについて解説してみたいと思います。

アパート経営の収入を試算するモデル物件を選ぶ

こういうのはリアリティが大事!ということで、収益物件検索サイトの健美屋から今回のモデルになる物件を拝借してきました。

2,680万円で1R×6戸。満室時の利回りは11.32%。よくある物件と言う感じです。

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このアパートを経営したら、実際にどのくらいの収入があるのか試算してみましょう。

アパート経営の収入・経費をざっくり弾いてみる

購入時にかかるお金

この物件を購入する際は、物件価格の2,680万円に加えて、購入時の諸費用(不動産売買仲介会社への仲介手数料、抵当権設定費用、火災・地震保険料等)がかかります。

ざっくり、物件価格の8%ぐらいですね。今回の例でいうと、214万円ぐらいです。

ですから、購入時に2,894万円ぐらいはかかる計算です。

収入

まずは収入ですね。今回の物件は、満室時の月収が25.3万円とのことなので、これが収入になります。

返済

現金で買う場合は別ですが、多くのサラリーマン大家さんは2,680万円なんて大金持っていませんから、融資を組んで物件を買うことになります。

この物件の場合、木造で築26年と古めなので、融資を組める金融機関も限られてきます。

今回のシミュレーションでは、築古木造物件にも積極的に長期融資を行うことで知られる、静岡銀行で借りた場合のシミュレーションをしてみましょう。

静岡銀行は物件金額全額のローン(フルローン)を出すことでも有名です。融資条件は以下のような感じになるでしょう。

・融資金額:2,680万円(物件価格全額)

・金利:3.3%

・返済期間:30年

この場合、月々の返済額は11.7万円になりました。

(僕は「ローン計算機」というアプリで返済額を計算しました。融資金額と金利と返済期間がわかれば、さくっと月々の返済額を算出してくれるアプリです。今検索してみたら、いろんなアプリ出てるみたいですね)

経費

アパート経営は、日々の管理(入居者の募集、入居者からの問い合わせ対応、入居者からの入金が無い場合の家賃支払督促等)を自分でやることもできますが、多くの人は管理会社に外注します。

その場合の管理費は家賃×3~5%です。

また、築26年もの木造になると、設備もいろんなところにガタがきていますから、修繕費もかかってきます。特に、入居者が退去した時は、その部屋の壁紙張替えや床の張替え、クリーニングなどで、多額の出費があります。

共用部の電気代なども負担になってきますし、損害保険料もかかってきます。あとは固定資産税ですね。

そして常に満室を維持できるわけではないので、空室損も織り込んでおく必要があるでしょう。

大小さまざまな経費がかかってきますので、ここではざっくり、

・固定資産税は家賃×10%

・その他経費は家賃×20%(空室損も含む)

として計算してみます。

今回の物件ですと、月に均すと、固定資産税は2.5万円その他経費は5.1万円ということになります。

収支

では収支を計算してみましょう。

収入  25.3万円
返済 ▲11.7万円
固定資産税  ▲2.5万円
その他経費  ▲5.1万円
収支   6.0万円

こんな感じです。月々の収支(キャッシュフロー)は6.0万円ですね。

これが市場に出回っている「よくある」物件を購入することで得られるキャッシュフローですね。

2,680万円の借金をして月々の手残りが6万円。これだけの借金をしてたったの6万円しか残らない・・・ととらえるか、頭金を一切投じないで月々6万円もの副収入!すごい!ととらえるか。ここは見方が分かれてくるところだと思います。

実際に購入する時には、アパート経営の収入・経費をしっかり見積もる必要あり

ざっくりと収支を試算してみたわけですが、当然実際に購入するときは、もう少ししっかり見積もる必要があります。

たとえば、

・収入 → 本当に満室時月収25.3万円得られるのか?今住んでいる人が退去して再募集をかけたら、月収下がっちゃうんじゃないの?

・返済 → 変動金利で借りるから、将来の金利上昇リスクも考えないといけないよな。

・空室損 → 本当にお客さんちゃんとつくのかな。近隣の空室率はどれくらい?この物件の競争力はあるのか?

・経費 → 思ったより修繕が必要になったりしないか?

といったことですね。このあたりをしっかり評価・分析して、試算の中に織り込んでいく必要があります。

アパート経営の収支は、買った後、数年後~売却までのことも考える必要あり

ここまでは「買った直後」の収支について考えてきました。けど、実際に買うときは、数年後~売却までのことも考えなければいけません。

この物件は5年後も現在の入居率・家賃を維持できますか?この物件が位置している町の今後の人口動態や、近隣の競合物件がどうなっていくのかを予想して、自分の物件の5年後の位置を予測する必要があります。

そして、不動産投資は「売って初めて成功したかどうかがわかる」という投資です。いつ、いくらで売れるのかのシミュレーションも必須でしょう。

たとえば5年間で家賃収入1,000万円儲けたとしても、5年後に購入価格より1,000万円マイナスで売却したら、プラスマイナスゼロです。いつ、いくらで売れるのか、は非常に重要なポイントなのです。

まとめ

というわけで、アパート経営の収入について試算してみました。いかがでしたでしょうか。

上記のざっくりシミュレーションを見て頂き、面白そうだなと思った方は是非勉強を進めてみてください!

初心者が体系的に勉強をするのであれば、不動産投資の学校なんかがおすすめです。このブログにもいろいろと不動産投資に役立つ情報を書いてますので、参考にしてみてくださいね。

ではでは!

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