以前、少額から不動産投資をしたいならリート(REIT)への投資もおすすめですよ、と書きました。
今日は、リート(REIT)への投資に興味を持った方が、具体的にどうやってリート(REIT)を選んで投資すればいいのか、について買いてみたいと思います。
儲かるリート(REIT)を選びたい!という方の参考になれば。
僕が実際にリート(REIT)に投資して儲かった体験談も書きますね。
目次
儲かるリート(REIT)の選び方:マクロ・ミクロ両面から”割安度”をチェック!
まず大前提ですが、投資で儲けるには「”本質的な価値”よりも割安に買って、割高になったら売る」ということが必要です。
これは株式投資でも不動産投資でも、どんな投資でも同じです。
そして、もちろんリートも同じなんですよね。
だから、リートへの投資で儲けるには
・そのリートの”割安度”(本質的な価値と比べてどれくらい割安なのか)を見極める目を持つ
・リートが割安になったら買う
・そのリートが割高になるまでじっと待つ
・割高になったら売る
ということが必要になるわけです。
リート(REIT)の”割安度”の見極め方
では、どうやって割安度を見るのかと言うと、「P/NAV指標」というのを見ます。
この割安度の見抜き方は、龍谷大学教授の竹中氏が提唱しているものです。この方の記述を著書、「稼ぐ経済学」の中から引用しますね。
では個別のREIT、あるいはREIT価格全般の割安・割高を見抜くにはどうしたらいいか。それがP/NAV指標だ。これはREITの市場価格(P)を投資1口当たりの純資産価値(NAV:Net Asset Value)で割った比率だ。一般企業株式の株価純資産倍率(PBR=株価÷1株当たりの帳簿上の純資産額)に似た概念だが、資産を時価評価している点がPBRと異なる。
稼ぐ経済学 著者:竹中正治 p.168
要は何かというと、「そのリートが持っている不動産全体の価値(時価)を”1”とした場合に、そのリートの市場価格がいくらになるのか」という指標、それがP/NAV指標です。
たとえば、P/NAV指標が1.2であれば、それは、不動産全体の価値(時価)が1なのに対して、リートが市場では1.2で売買されていることになります。仮に「過去10年平均で見るとリートの市場価格は1.1で売買されている」、ということなのでれば、1.2で売買されているというのは「本質的な価値より割高な状況である」と判断するわけです。
マクロ的にリート(REIT)の割安度を見る方法
P/NAV指標はどこで見られるのでしょうか。自分でイチイチ不動産の価値(時価)と市場価格を比較しなければならないのでしょうか。
実は、リート(REIT)全体のP/NAV指標の推移を効果している素晴らしいサイトがあります。それがTMAXと言う不動産会社のサイトです。
このサイトにはずいぶん前からお世話になっています。
このサイトでは、こんなグラフを随時更新してくれているのです。なんと素晴らしい!
2002年5月からのP/NAV指標の推移を示したグラフです。
長期平均は見てのとおり1.14。この1.14を挟んで、相当大きく変動していることが見て取れますよね。
割安度を見極める方法は簡単です。この長期平均を下回った時が割安なのです。
そこで買えばいいんです。そして、長期平均を上回ったら売ればいい。
個別のリート(REIT)の割安度を見極める方法
上で紹介したのは、リート全体の割安を見極める方法ですね。で、ここからは個別のリートの割安度を見極めるやり方について。
これ、ちょっとハードルが高いです。個別のリートのページに行って、決算資料を読んで、自分でP/NAV指標を出さなくてはいけません。
しかも、できれば、過去10年ぐらい遡って、P/NAV指標の長期平均を出したうえで、現在のP/NAV指標と比較して、割安・割高の判定をしなくてはいけないんですよ。
けっこう骨が折れる作業です。数時間かかります。
僕はこういう作業好きでしたから、昔は夢中でやってましたけどね。気が付いたら4時間ぐらい作業に没頭してた、みたいな。
ちょっとマニアックになるので、作業のやり方の詳しい解説はしません。もしまた機会があれば書きたいと思います。
僕のリート投資体験談
僕はまさにこの方法を使って利益を出しました。
この方法を使って割安なリートを見つけだし、そこに投資して、そこが割高になったら売りました。グラフで言うと、以下のような感じです。
実際に買ったのはリート全体ではなくて、日本ロジスティクス投資法人という個別リートですけどね。
そのリートの割安度を分析して、「これは割安!」ということで、2012年4月ごろに投資しました。たしか70万円ぐらい。
2012年末頃からアベノミクス景気がスタートし、一気にリート価格が上昇して割高圏に入ったので、2013年に入ってから、売却しました。たしか100万円ぐらい。
差し引き30万円が利益になりました。
購入してから売却するまでの間に、リートからもらった配当金も、数万円程度はあったかと思います。
当時はお金もあまりなかったので、信用買いをしましたね。証券会社からお金を借りて投資しました。
当時は、「信用買いは基本的にしない」というポリシーでしたが、このリートに限っては信用買いしてもいいだろう、と判断しました。
理由は以下の通り。
・リートが割安圏にあるので、更に値下がりするリスクは(割高の時に比べれば)低い
・配当利回りがあるから、証券会社からの借入金利をカバーできるし、プラスのキャッシュフローが得られる
・他の株式の運用もやっていて、証券会社に預けているから、仮にリートが値下がりしても、ロスカット(※)されるリスクは低い
(※)ロスカットと言うのは、信用買いを行ったときに、指定された範囲以上に損失が拡大すると、強制的に売却をされてしまう制度。
僕は2012年頃、リートについて勉強していくうちに、「これはチャンスだ!」と思うようになっていました。
臨場感を感じて頂くために、当時の日記から引用してみます(無修正)。
■2012/3/20J-REITをレバレッジ利かせて買うの、いいかも。たとえば、8967 日本ロジスティクスファンド。適正価格から19%も割安。年間利回りは4.88%。これを、たとえば、50万円自己資金、50万円借入で100万円購入すると、単純利回り 9.76%実質利回り(金利控除後) 6.76%値上がり益 8%(4%×レバレッジ2倍)/年(5年で適正価格に戻る場合)⇒トータルリターン 14.76%/年ということで、結構美味しくないか?値下がりリスクは低い。値下がり時は即、追証に対応できるだけのキャッシュを用意しておけば、まず、大丈夫だろう。ということで、ロスカットリスクは抑えられる。⇒これ、美味しい!!!!
今、リートは割高な水準
上のグラフを見て頂ければわかる通り、今、リートは「割高局面」にあります。2013年頃からずっと割高局面ですね。
でも、過去の相場を見れば、ずっと割高局面が続くことはありえません。相場は循環します。必ずまた、割安局面が訪れます。
割安局面が訪れるまで、ぐっとこらえて、別の投資に励みましょう。
とは言いつつも、「とにかく、リートに投資してみたいんだ!」という方は、個別リートの分析をしっかりやってみるといいかもしれません。
TMAXさんのP-NAV指標は、あくまでリート全体についてのグラフです。個別リートの中には割安なものが埋もれているかも。
そこの分析に時間をかけて、リートについて学びを深めつつ、いいものがあれば投資する。
もしいいものが見つからなければ、次の割安局面をじっくり待つ、というのも良いですね。
というわけで、リート(REIT)の選び方について解説してみました。
最後に。リートや投資全般を学びたい方に、「稼ぐ経済学」を改めておすすめ
さて、上でも紹介しましたが、この割安度の見極め方は「稼ぐ経済学」という本に書いてあったものです。
この本、このブログでも何度もおすすめしてますが、投資リテラシーを高めたい方には必読です!!
大学時代にこの本の前身、「今こそ知りたい資産運用のセオリー」(現在は絶版。稼ぐ経済学とかなり内容がかぶってる)を読んで衝撃を受けました。
当時彼女に、カフェで、「これはたった1000円ちょっとの本だ。だけどこの本の知識は、今後俺の人生に数百万円、数千万円、下手したら数億円の利益をもたらすよ!!!」と熱弁したことが懐かしく思い返されますw
(実際、その後数年で、数百万円の利益はもたらしてくれました)
というわけで、未読の方はこの機会にぜひ。