高利回りの不動産投資、やりたいですか?
僕はもちろんやりたいです。高利回りの不動産が手に入れば、非常に安定した賃貸経営を行うことができます。高利回りなら、そうそう赤字になることはありません。そして、月々の手残りも多くなります。
僕は、不動産投資については断然「高利回り派」なので、所有物件も高利回りです。物件購入時のもろもろの初期費用や、月々のランニングコストの影響も加味した実質利回りで20%程度の物件を保有しています。
さて、本記事では、そんな高利回り不動産大好きな僕が、「不動産投資で高利回り物件を買うには?」ということについて、まとめてみたいと思います。
目次
高利回り不動産投資とは
「高利回り不動産投資」について明確な定義はありません。何%以上だったら高利回り、というものは人によって考え方が違います。
ただ、なんとなくの基準として、「利回り15%以上」ぐらいであれば「高利回り」と言う人が多いような気がします。
本記事でも、高利回り不動産投資を「利回り15%以上」の投資として、書いていきます。
高利回り不動産投資を行うメリット
そもそも、高利回り不動産投資って、そんなに大事なの?という疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんので、まず高利回り不動産投資を行うことのメリットについて、具体例で説明したいと思います。
たとえば、3,000万円で利回り20%の物件を手に入れたら、年間600万円の収入を得ることができます。月間では50万円の収入です。仮に3,000万円全額を銀行から「金利2%、返済期間20年」で借りたとすると、月々の返済は約15万円。ということは、家賃収入から返済を引いた毎月の手残りは約35万円になります。
これが、6,000万円で利回り10%の物件だとどうでしょう。年間600万円の収入を得られることに変わりはありませんが、全額を銀行借入とし、上の例と同じ「金利2%、返済期間20年」という条件で借りるとすると、月々の返済は約30万円。すると、家賃収入から返済を引いた毎月の手残りは約20万円まで減ってしまいます。
賃貸経営をする上では、固定資産税・修繕費・管理料などさまざまな費用がかかりますし、空室リスクもありますから、満室時の月々手残りが20万円なのに対し、6,000万円もの借金をしてしまうと、なかなか危険です。
高利回りの不動産投資を行うことができれば、ある程度の空室に耐えることもできるし、修繕費・税金などを余裕をもって支払えます。
高利回り不動産投資を行うための3つの考え方
では、高利回りの不動産投資を行うためには、どうしたらよいのでしょうか。具体的な手法の紹介に入る前に、まず、高利回り不動産投資を行う上で、絶対に外せない考え方をご紹介したいと思います。
1. ウマい話には裏がある。
「寝ててもざくざく儲かる、ピカピカの超高利回り物件をあなただけに紹介します」と言われたら、気を付けてください。それはきっと詐欺です。そんな物件が存在するはずがありません。
そんな物件があったら、その紹介者が自分で買うでしょう。その紹介者がお金を持っていなくて、他の人に紹介するしかなかったとしても、「本当に良い物件」だったら買い手が殺到して、価格が上昇するでしょう。価格が上昇すれば、高利回りではなくなります。
そんなウマい話があるわけないんです。騙されないようにしてください。ウマい話には、絶対裏があります。
2. リスクを取れ。
ウマい話には裏がある・・・じゃあその”裏”って何?って思いますよね。それは、たとえば以下のようなことです。
- 物件がド田舎にある。入居の問い合わせがここ3年の間で1度も来ていない。
- 超ボロ家。古すぎて、築年数がわからない。
- 問題入居者がいる。家賃を全く払ってこない上に、共用部を汚しまくってほかの入居者に迷惑をかける。
こういった問題がある物件というのは、多くの投資家が買うことを嫌がります。そりゃそうです。ド田舎物件に客が入るなんてわからないし、超ボロ家には目に見えない設備の問題が山ほどあるかもしれないし、問題入居者にどう対処したらいいかわからないから。
でも、高利回り物件を買うには、リスクを取って、こういう物件を買わなくてはいけないんです。こういう物件を買って、その物件が抱えている問題を解決して満室を実現することで、高利回り物件を「創り上げる」ことが必要なんです。
空室リスク、修繕リスク、滞納リスク・・・。こういった、リスクを果敢にとることが、高利回り物件をゲットするために必要不可欠なんです。
3. 手間をかけろ。
高利回りの不動産投資を行う上で大切になるもう一つの考え方が、これです。手間をかける。
本来だったら外注するような仕事を自分でやることで、コストを下げる。そうすることで、高利回り不動産投資を実現する、という考え方です。
たとえば、建物のリフォームを業者に頼まずに、自分でやってしまう。また、日々の物件管理を自分でやる。滞納があった時の裁判も自分でやる。
こうすることで、リフォーム業者、管理会社、弁護士などに支払う費用を抑えて、結果として、高利回りを実現する、というものです。
高利回り不動産投資を行うための7つの方法
高利回り不動産投資を行うための考え方を説明したので、次は具体的なやり方の説明に入っていきたいと思います。
1. 立地がイマイチな物件を買う(地方投資など)
不動産は立地が命、と言われます。
極端な話、銀座や丸の内の一等地に不動産を持っていたら、空室に悩むことはないでしょう。当然、そういった超一等地の物件には、高値がつきます。
逆に、地方にある物件は、「空室が本当に埋まるかどうかが定かではない(=空室リスクが高い)」ので、あまり購入希望者が現れません。結果として、物件価格は安くなります。
こういった空室リスクの高い物件を購入して満室にする、というのが、高利回り不動産投資を実現するための1つのやり方です。
この手法をとる場合は、「一見イマイチな立地だが、空室を埋めることは可能である」という物件を見抜く目が必要になります。以下のようなやり方で、物件の真の価値を見抜いていきます。
- 近隣を歩き回り、競合物件の空室状況をチェック。意外と空室が少ないことを確認する。
- 近隣の不動産賃貸管理会社にヒアリングして、そのエリアの特徴を深く理解する。
- そもそも、子どもの頃からそこに住んでいて土地勘があるから、どこが人気のあるエリアかどうかを見抜ける。
立地リスクを取って成功している大家さん
この手法で成功している有名な大家さんをお二人紹介したいと思います。
まず伊藤邦夫さんです。この方は、京都大学大学院を出て、野村證券でトレーディング業務やファンドの組成・販売、不動産ファイナンスなどを手掛けられた、いわゆるエリート。栃木、三重、山梨などの地方の物件を狙って買い進め、利回り20%前後を叩きだされています。
この方は「地方プレミアム投資術」という情報商材を販売しています。3万円ぐらいしていて高いのですが、僕は買いました。2年ほど前に買ったのですが、今でもたまに読み返したり、音声を聞き直したりしています。
僕は伊藤さんのセミナーにも出て、その後の懇親会でお話させて頂いたこともあるのですが、非常にクレバーな方です。地方投資に興味がある方は、伊藤さんをフォローしておくことをお勧めします。
ちなみに、「地方プレミアム投資術は3万円もするし高くて手が出せないよ!でも伊藤さんの手法知りたい・・・」という方は、書籍もお勧めです。
伊藤さん以外では、野間健二さんですね。土地勘のある地元で大型の一棟ものを次々に購入して急拡大されている方です。利回り20%近くの物件を多数保有されてます。この方もお会いしたことがあるのですが、知力・行動力とも図抜けている、という印象です。要フォローです。
2. ボロ物件を買う
誰もが買うことを躊躇するようなボロい物件を買って、再生して、貸し出す方法です。
ボロ物件は、多くの人から敬遠されます。お化け屋敷みたいで気味が悪かったりしますし、水回りが劣化していたり、雨漏りしていたりするとリフォームが大変ですし。
購入希望者が少ないので、売主との値切り交渉もしやすいわけです。交渉をうまくやって、物件を安い価格で仕入れ、コストを抑えてリフォームを行い、貸し出す、という手法です。
ボロ物件投資で成功している大家さん
ボロ物件投資を行って成果を出されている大家さんは本当にたくさんいるのですが、ここではお二人に厳選して紹介したいと思います。
まずはボロ物件投資のパイオニア、加藤ひろゆきさんです。
加藤さんは2,000年代半ばから、地元北海道で不動産投資を開始。まず、「鬼のような指値」で物件をできるだけ値切った上で購入。これをご自身の「労働力投入」によって再生し、適正家賃で貸し出すことで成果を出されています。
文章がとてもユニークで、ブログ・書籍とも非常に人気があります。
3. 再建築不可・借地権物件を買う
普通の土地ではなく、クセのある土地を安く仕入れて高利回りを実現する、というやり方です。
クセのある土地というのは、「建物を一度取り壊すと、再びそこに新しい建物ができなくなる土地(再建築不可)」や、「土地部分は地主が所有し、建物部分にだけ所有権を持つような不動産(借地権)」といった土地です。
これも、多くの人は好き好んで買う物件ではないので、購入希望者が少ないです。よって、安く買うことができます。
再建築不可・借地権物件への投資で成功している大家さん
再建築不可・借地権物件への投資で成功している大家さんについては、正直、「この人!」という人が見当たりません。
再建築不可物件を購入している人などは、けっこういると思うんですが。たとえば、ボロ物件投資のところで照会した脇田雄太さんは、再建築不可物件を買う理由についてコラムを書いていらっしゃいます。
再建築不可物件の最も大きなメリットは価格の安さです。再建築不可物件は、同一条件の通常の物件と比較して、数割~半額以上も売買価格が下がるケースが多くなります。
しかし、入居者募集を行う際に、入居希望者さんから「 この物件は再建築不可だからイヤだ 」「 この物件は再建築不可だから家賃を下げてください 」というような申し出があることはまずありません。
つまり、資産価値を重視した購入や転売を目的とする場合はNGだとしても、毎月のキャッシュフローを得るために物件を購入するなら、再建築不可であっても実質的なリスクはほとんどないというわけです。
再建築不可・借地権物件投資に関する書籍はほとんど出ていません。有益な情報が得られ次第、この記事に随時追記していきます。
4. 問題入居者がいる物件を買う
長期滞納している入居者であったり、近隣の騒音等の迷惑をかける入居者であったり、問題がある入居者がいる物件をあえて買うことで、購入価格をおさえる方法です。
問題入居者に訴訟を起こして賃料を回収したり追い出したりし、代わりに良い入居者を迎え入れる、等の対応が必要になります。
問題入居者と正面から向き合うことで高利回りを実現している大家さん
有名なのは、必殺大家人さんですね。自主管理大家の日々という人気ブログを運営されている方です。440戸の不動産を全て自主管理で行っており、訴訟対応等もほぼ一人でやられています。すごいです。
5. セルフリフォームする
物件のリフォームはリフォーム業者さんを利用して行うのが通常ですが、これをセルフリフォーム(自分でリフォーム)することで、費用を抑え、高利回りを実現するものです。
手先が器用な方や、DIY好きな方にはとてもお勧めできる方法かと思います。
セルフリフォームで成功している大家さん
ボロ物件投資のところで紹介した加藤ひろゆきさんなどは、まさにセルフリフォームで成功した大家さんだと思います。
その他に3名ほど挙げてみます。
まずはお家大好きさんです。「お家大好きのひとり事多いんだよ!」という人気ブログを運営されていらっしゃいます。家を購入しては一人で全部直して貸す。それが終わるとまた買って、直して、貸す。ということをひたすら繰り返していらっしゃるご様子です。ネット上でインタビュー記事を見たことがあるのですが、お家大好きさんは、小さいころからものすごく手先が器用だったようです。
次に挙げたいのはOGAさんです。この方は戸建シェアハウスを中心に拡大され、30代前半で会社を辞めて専業大家となられています。さまざまに工夫を凝らしながら、シェアハウスのリフォームを安く仕上げていらっしゃいます。
20代で高利回り不動産投資に出会い→会社員脱却→大学生になったワイルドな不動産投資家のブログ 『年収300万円台からの逆襲』
また、まーくんさんもご紹介します。この方もシェアハウスを中心に拡大され、2016年3月にセミリタイアを実現。職人さんと協力しつつ、かなりの部分をセルフリフォームで再生し、高利回りを実現しています。ブログにセルフリフォームネタを出し惜しみなく書かれているので、セルフリフォーマーにとってはとても参考になります。要フォローです。
まーくんさんはサラリーマンとしての仕事が激務だった時も、睡眠時間を削って物件リフォームの時間を確保し、コストを極限まで抑えつつもすごい勢いでシェアハウス事業を拡大されています。凄いです。
ボロ物件大好き!利回り重視29歳サラリーマン自主管理大家の生活
6. 自主管理する
不動産投資をする際、多くの大家さんは管理会社に物件管理を任せます。入居者との日々のコミュニケーション、家賃の入金管理、滞納への督促、入退去の手続きなどなどの仕事です。
これを全部自分でやってしまうのが自主管理です。
かなり労力がかかりますので、「不労所得」とは言えない状況にはなるものの、高利回りを実現することができます。
自主管理で成功している大家さん
自主管理で有名な大家さんと言えば、「4.問題入居者がいる物件を買う」のところでも紹介しましたが、必殺大家人さんでしょう。440戸もの不動産を全て自主管理で管理している様子は圧巻です。「自主管理大家の日々」は、自主管理大家を志す大家さんにとっては必見のブログですので、チェックをお忘れなく。
7. コンバージョンする(建物用途の変更)
コンバージョンとは現状の建物用途を変更すること。コンバージョンすることで高利回りを叩きだすのがこの手法です。
例えば、建物面積の非常に大きい戸建てを購入し、シェアハウスにコンバージョンすることで、高利回りを実現します。
昔は三世代で同居するような家庭もそれなりに多くあり、大きな戸建のニーズもあったのでしょうが、現代は家族の形が変わっており、三世代が同居するケースはかなり少なくなっています。ですので、大きな戸建にはあまり購入ニーズがないのが現状です。
この大きな戸建を安く仕入れ、シェアハウスとしてリフォームし直し、貸し出すことで、高利回りを実現することができます。
コンバージョンで成功している大家さん
セルフリフォームのところで紹介したOGAさん、まーくんさんは、まさにこのコンバージョン(シェアハウス)で成功されている大家さんです。
まとめ:高利回り物件を手に入れるのは、簡単じゃない。
高利回り物件をゲットするのは簡単じゃありません。立地や建物などのリスクを取ったり、費用を抑えるために手間をかけることで、高利回り物件を「創り出す」ことが必要になります。
ですが、特に不動産投資の初期段階においては、リスクテイクや手間をかけることをいとわず、果敢に高利回り物件を創り出すことが必要だと思っています。僕はその考えに基づいて、高利回り物件の創出に日々チャレンジしております。
というわけで、高利回り物件を手に入れるための考え方と方法についてまとめてみました。何かのご参考になれば幸いです。