今日はホームインスペクションをやる会社として有名な「さくら事務所」を創業した長嶋修さんの本やウェブ上のコラムを読んでいて、改めて発見があったので紹介します。
ボロ物件市場には歪みがある!この歪みの存在に気づけば、ボロ物件投資で利益を出しやすくなるんじゃないか!?ということに気づきました。
「建物の価値」の見極めがざっくり過ぎる
何かというと、巷で出回っているボロ物件の価格設定というのは、「建物の価値」を十分に織り込んでいないのではないかということ。売主さんはもちろん、不動産仲介会社も建物の価値をわかっていない。木造物件であれば例えば築25年ぐらいを過ぎていたら、一律で「建物の価値ゼロ」と評価して、土地の価値のみの価格を付けがち。
でも実際はそれって非常に乱暴な考え方で、建物によっては、築25年でも非常に質がいいものもある。長嶋修さんによると、しっかりした建物で、メンテナンスも欠かさなければ、100年もつものもあるのだとか。
建物は、きちんとした「 設計 」「 工事 」「 点検・修繕 」の3拍子がそろえば長持ちします。日本の設計・工事の技術は世界一と言っていいでしょう。 きちんと工事された建物で定期的な点検や修繕を怠らなければ、木造でもRC( 鉄筋コンクリート )でも最低100年はもちます。 ここで導き出された建物の寿命も、今後では飛躍的に伸びていく可能性があります。
つまり、建物次第で価値は変わってしかるべき。しかし、売主も不動産仲介業者も買主も、だれも建物の真の価値を見極める目を持っていないというケースは多いです。だからみんな、「なんとなくこの建物はよさそう」「なんかこの建物はだめそう」という非常にざっくりした感覚でしか建物の価値を測れていない。
これって歪みですよね。今のボロ物件市場はこんな状態ですから、建物が実態よりも過大評価されたり、過小評価されたり、というケースは頻発してそうです。
つまり、同じ築30年の木造戸建てが2つあったとして、1つ目は雨漏りがあったりシロアリが食ってたり地盤に問題があったり、リスキーな状態(でも表面的には大丈夫そう)。2つ目はとてもしっかりした造り、というようなケース。1つ目と2つ目の物件は当然違う価格になっていたりしそうですが、この2つに同じ価格がついているケースは頻発していると思われます。ここで、2つ目をしっかり割安に買っていける投資ができれば、儲けられるはず。
もちろんいろんなボロ物件投資本だったり、ボロ物件投資ブログで、物件を見る時のポイントというのはたくさんあって、僕もこれまでそういうのを非常に参考にしながら物件を選定してきました。こういう見方というのは、当然何も考えずフィーリングで物件選定するのに比べればいいのだけれど、どうしても粗さが残る。これを精緻にやれるかどうか、というところが差になる気がする。
インスペクションでボロ物件投資の歪みを見抜く!
で、どうするか。僕は今度ボロ物件投資をやるときは、ホームインスペクションを入れようと思います。これは要は、住宅の状態を金を払ってしっかり見てもらうサービスのこと。価格は5万円~10万円ぐらいかかる模様。一回こういうサービスを金を払って申し込んで、物件のどこを見たらいいのかというのを横からしっかり盗み見ておいて、次回から自分1人でできるようにする。そうすれば、建物の真の価値を見極め、歪みを見つけられるボロ物件投資家になれるのではないかと。
長嶋修さんの本(「マイホームの常識」にだまされるな! 知らないと損する新常識80)からの引用をいくつか載せておきます。
では、このような玉石混淆の住宅市場で、どうやって「お宝ヴィンテージ住宅」を見つけるのか。欧米では、中古住宅を購入する際に建物の専門家である「ホームインスペクター(住宅診断士)」が、その知識や経験に基づいてひと通りのチェックを行っています。このチェックを「ホームインスペクション(住宅診断)」といいます。 「ホームインスペクション」とは、住宅に精通したホームインスペクターが、第三者的な立場、また専門家の見地から住宅診断を行うことです。ホームインスペクションを行うことで、住宅の劣化具合や欠陥の有無、購入後にかかるメンテナンスやリフォームコストなどについて把握しやすくなります。 先進国では、住宅取引を行う際に、第三者のホームインスペクターが建物をチェックするのは常識です。たとえばアメリカでは、州によってばらつきはあるものの、70~90パーセントの割合で、不動産購入前にホームインスペクションが行われているのです。日本でもつい最近、やっと根付き始め、これから常識になろうとしています。 市場にある中古住宅の品質は「バラバラ」です。住宅について一定の勉強をし、選球眼を持って必要なところは専門家をうまく活用する……。そんなことができる方なら、十分「お宝物件」を見つけられるでしょう。
さくら事務所のホームインスペクター(住宅診断士)が、売り出し価格3000万円の中古住宅を、10件並べて調査したとします。すると「これは3000万円の価値はないなあ」と思えるものがたくさん。一方で「これが3000万円ならお買い得なんじゃない?」と思えるものもたくさんあるのです。
築30年ものなど、すでに建物の評価がなく、手入れをされた形跡もなくボロボロで、誰も見向きもしないような中古戸建てを買って、上手に修繕して住むとお得だとして、こうした買い物をする例が散見されます。たしかに目の付け所はよいのですが、こうした物件の中には、もうどうにもならない建物もあります。耐震性が著しく低いもの。建物自体が傾いており、原因が構造にあるもの。雨漏りが放置されていて、木部の腐食が進んでいるものなど。これらを補強・補修するにはかなりの費用を要してしまいます。このような古い物件を買う際には、ホームインスペクター(住宅診断士)などの専門家に診断してもらい、判断を仰ぐといったリスクヘッジを行うのが賢明でしょう。
いや、もちろんポジショントークは多分に入っているとは思いますよ。長嶋さんは自分のところにホームインスペクションを頼んでほしいわけですから、ホームインスペクションをやった方がいいですよー、という論調になりがちですよね。
でも、ここに書いていることは真実を突いているとも一方で思うのです。長嶋さんのいろんな本を読んでいても、至極まっとうなことを書いていらっしゃいますし、僕は長嶋さんのことを信頼しています。
というわけで、今後ボロ物件を買うときはホームインスペクションやってみて、ボロ物件のチェック方法を学び、ボロ物件投資家としてレベルアップしていきたいと思います!